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ビル・エヴァンス、ラストの一枚目

★★★★★
『Consecration~The Last』
Alfa Records 43R1-32/33(LP) → 51R2-32/33(CD)
1980年8月31日~9月7日 サンフランシスコ、キーストンコーナーにてライブ録音
Bill Evans(p) Marc Johnson(b) Joe LaBarbera(ds)
Disc-1
1. You And The Night And The Music
2. Emily
3. The Two Lonely People
4. I Do It For Yourself
5. Re:Person I Knew
6. Polka Dots And Moonbeams
7. Knit For Mary F
8. Someday My Prince Will Come
昨年(2011年)12月18日に72歳で亡くなった兵庫県出身の吉田カツ氏が描くビル・
エヴァンスのイラストで人気のアルファ盤。 エヴァンスの文字どおり最後の記録と
なった作品。(ファット・チューズデイズは録音されていないと わたしは思う)
1989年リリースと同時に購入。 しかしすぐさま8枚ボックスセットが発売になり
またもや購入。 吉田カツ氏のイラストの魅力も どこへやら、初出の二枚組は さっさと
手放してしまいました。 ところがです。 8枚ボックスは、あまりにも大量すぎるし、
曲目も重複しまくっているので聴く気がおこりません。 レコード棚に鎮座して手つかず。
レコードは やはり作品として編集され、アルバムとしての流れ、ストーリーを持って
完成されるものであって、単なる記録を聴くものではないのです。
ましてや当のエヴァンス自身が録音されていることを知らなかったのですから…
そこで8枚ボックスをパソコンにデータとして取り込み、重複している曲はオリジナル
のタイミングと曲の出来とを照らし合わせ “これだ” と決め込む。 そしてCDの完成。
通して聴いてみると繋がりが おかしな部分はありますが(とうぜんのこと)たぶん正解。
いやぁほんとうに珠玉の15曲です。 死が目のまえにあることが信じられません。
「You And The Night And The Music」 では たしかに思うように満足に弾けていない
箇所は聴いていてわかります。 でもツアー中ただ一回しか演奏しなかった この曲を
オープニングに もってくるあたり すばらしい構成だと思います。 引き込まれるのです。
ベストトラックは 「The Two Lonely People」。 タイトルのイメージ、哀愁が鍵盤から
あふれています。 マーク・ジョンソンの入りがたまりません。 ゾクゾクしてきます。
つぎはジョニー・マンデル作曲の 「Emily」 か。 愛らしさがいっぱいの曲です。
8枚ボックスはやめて この二枚組を しっかり聴きこみましょう。
Bill Evans / Consecration Ⅰ
タイトル曲はエヴァンス作の一二を争う傑作

★★★★★
『How My Heart Sings !』
Riverside RS 9473
(1-1, 2-1)1962年5月17日 録音
(1-4, 2-2, 2-4)1962年5月29日 録音
(1-2, 1-3, 2-3)1962年6月5日 録音
Bill Evans(p) Chuck Israels(b) Paul Motian(ds)
Side-1
1. How My Heart Sings
2. I Should Care
3. In Your Own Sweet Way
4. Walking Up
Side-2
1. Summertime
2. 34 Skidoo
3. Ev'rything I Love
4. Show-Type Tune
中山康樹氏は自身の著書 「新・エヴァンスを聴け!」 のなかで 「Summertime」 を
“「ストレート・ノーチェイサー」 を連想させるベースからはじまるが、このアレンジ
は安普請、その後エヴァンスが積極的に再演しなかった気持ちもわかる” などと
のたまわっておられるが、大きなお世話で、わたしは このアレンジこそが この曲の
不思議感を表現している大きな魅力だと思っています。 ベースアレンジはエヴァンスと
チャック・イスラエルスが相談し、コードから ひねりだしたものでしょう。
「I Should Care」 も けなしておられるが、リラックス感と適度な緊張とが入り混じった
優れたプレイだと思います。 タイトル曲のつぎに わたしは好きです。
いずれにせよ 『Moon Beams』 と同じく座右に置いて聴くべき作品に ちがいありません。
| Bill Evans / How My Heart Sings! | |
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ビル・エヴァンス、畢生のバラード

★★★★★
『Moon Beams』
Riverside RLP 9428 → Riverside RS 3001
(2-1)1962年5月17日 録音
(1-1, 2-4)1962年5月29日 録音
(Side-1/2~4, 2-2, 2-3)1962年6月5日 録音
Bill Evans(p) Chuck Israels(b) Paul Motian(ds)
Side-1
1. Re:Person I Knew
2. Polka Dots And Moon Beams
3. I Fall In Love Too Easily
4. Stairway To The Stars
Side-2
1. If You Could See Me Now
2. It Might As Well Be Spring
3. In Love In Vain
4. Very Early
62年5月はベーシスト、スコット・ラファロが自動車事故で亡くなって10ヵ月あまり、
ビル・エヴァンスは失意にあって まともな仕事は ほとんどしていなかった。
名盤の誉れ高いジム・ホールとのデュオ盤 『Undercurrent』 ぐらいしか注目盤は
ありません。 そこでリバーサイド側が録音を催促したのでしょう。
三日間で二枚のアルバムを創らされて?います。 曲数にして16曲を録音。
本作と 『How My Heart Sings !』。 これが両盤とも手放せない傑作になりました。
1961年、アラン・ドロンとのあいだにアリという男児をもうけたヴェルヴェット・
アンダーグラウンドのニコがジャケットを飾る本作は すべて珠玉のバラード。
オープニングとラストを自作曲で締めるというオリン・キープニューズの うまい構成。
「Re:Person I Knew」 はキープニューズのアナグラム。 「Very Early」はエヴァンスの
学生時代の作曲。 わたしはこの 「ヴェリー・アーリー」 がいちばん好きな曲かも。
まぁ全曲エヴァンスにしか表現できない至福のバラード。 一生座右に置くべき作品です。
| Bill Evans / Moon Beams | |
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クリフォード・ブラウン、エマーシーの幕開け

★★★★★
『Brown And Roach Incorporated』
EmArcy MG 36008 → Nippon Phonogram SFX-7385M
(2-3)1954年8月2日 録音
(1-1, 1-2)1954年8月3日 録音
(1-3, 2-1, 2-4)1954年8月5日 録音
(2-2)1954年8月6日 録音
Clifford Brown(tp/except 2-1, 2-3) Harold Land(ts/except 1-2, 2-1)
Richie Powell(p) George Morrow(b) Max Roach(ds)
Side-1
1. Sweet Clifford
2. I Don't Stand A Ghost Of A Chance With You
3. Stompin' At The Savoy
Side-2
1. I'll String Along With You
2. Mildama
3. Darn That Dream
4. I Get A Kick Out Of You
1954年8月2日はレギュラークインテットでエマーシーに初録音した記念すべき日。
ロサンゼルスはメルローズ・アヴェニュー、キャピトルスタジオで三曲を収録。
「Delilah」 「Darn That Dream」 「Parisian Thoroughfare」 の順に録音されました。
エマーシーシリーズ12作のスタート。 ジャズ界における至宝の幕開けだったのです。
「Sweet Clifford」 はブラウニーの作曲。 いきなり突き刺さるようなプレイ。
そんな刺激的な演奏ですが、エンディングの見事な落とし。 これが聴きものです。
「…A Ghost Of A Chance…」 のくねくねとした芸術的に完成された鉄壁のソロ。
この完成度は、ほかのだれにも、リー・モーガンにも師匠格のファッツ・ナヴァロにも
ましてやマイルス・デイビスにも出せるものではありません。
「I'll String Along With You」 はリッチー・パウエルのピアノトリオ、兄とは別の
魅力が確認できる佳演です。 「Darn That Dream」 はハロルド・ランドのワンホーン。
「I Get A Kick Out Of You」 のスピード感も たまりません。
| Brown And Roach Incorporated+3 | |
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わたしのブラウニー開眼盤

★★★★★
『Study In Brown』
EmArcy MG 36037 → Nippon Phonogram SFX-7304M
(1-3, 1-4, 2-3, 2-5)1955年2月23日 録音
(2-1, 2-4)1955年2月24日 録音
(1-1, 1-2, 2-2)1955年2月25日 録音
Clifford Brown(tp) Harold Land(ts)
Richie Powell(p) George Morrow(b) Max Roach(ds)
Side-1
1. Cherokee
2. Jacqui
3. Swingin'
4. Lands End
Side-2
1. George's Dilemma
2. Sandu
3. Gerkin For Perkin
4. If I Love Again
5. Take The A Train
クリフォード・ブラウンを初めて聴いたのは当アルバムの 「George's Dilemma」 です。
なんと なめらかで艶やかで、それはテクニックと情感の両立を完璧に成しえていたのです。
ブラウニーの作曲としても とても魅力的でキュートな一曲です。
このレコードが きっかけになりエマーシー盤やプレスティッジ盤、ヴォーグ限定版CDと
聴くようになりました。 1952年3月21日から亡くなる前日の1956年6月25日まで、
4年3ヵ月の短い活動期間ですが、これは まさに黄金の日々だったのです。
そしてナンシー・パウエルの自動車の運転ミスによって一瞬にして閉ざされました。
ここでは24歳のブラウニーの ほとばしるような すばらしいプレイが堪能できます。
すべてがベストトラックですが、わたしが とくに好きなのは 「George's Dilemma」、
「Sandu」 「If I Love Again」。
いずれにせよ、ジャズを聴くならブラウニーを聴かないとジャズは語れないことは
言うまでもありません。
| Clifford Brown / Study in Brown | |
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ドナルド・バードの好きな盤

★★★★★
『The Cat Walk』
Blue Note BLP 4075
1961年5月2日 録音
Donald Byrd(tp) Pepper Adams(bs)
Duke Pearson(p) Laymon Jackson(b) Philly Joe Jones(ds)
Side-1
1. Say You're Mine
2. Duke's Mixture
3. Each Time I Think Of You
Side-2
1. The Cat Walk
2. Cute
3. Hello Bright Sunflower
このアルバムは古いつきあいです。 もう四十年以上になります。 あるレコード店で
オリジナルのモノ盤を二千円ぐらいで購入したのです。 音が分厚い、そしてリアル。
とくにペッパー・アダムスのバリトンとフィリーのスネアがリアルな音で迫ってくる。
歴史的に重要でも何でもないレコードですが、これぐらいジャズの魅力にあふれた
作品も そうざらには ありません。
その魅力のひとつは曲の良さ、チャーミングであること。デユーク・ピアソンの作曲の
うまさに尽きると言えるでしょう。
そして管二人の実力、テクニックだけではないジャズを愛している情感で聴かせます。
レイモン・ジャクソンのベースもフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムスも最高。
純粋にジャズらしい曲として楽しめるベストトラックは 「Each Time I Think Of You」、
「Hello Bright Sunflower」 です。 両面のラスト曲、偶然ではないかもしれません。
| Donald Byrd / The Cat Walk | |
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ルイ・スミス、健闘しているのですが…

★★★★
『Here Comes Louis Smith』
Transition → Blue Note BLP 1584 → United Artists
(1-1, 1-2, 2-2)1958年2月4日 録音
(1-3, 2-1, 2-3)1958年2月9日 録音
Louis Smith(tp) Buckshot La Funke=Cannonball Adderley(as/except 2-1)
Duke Jordan(p/1-1, 1-2, 2-2) Tommy Flanagan(p/1-3, 2-1, 2-3)
Doug Watkins(b) Art Taylor(ds)
Side-1
1. Tribute To Brownie
2. Brill's Blues
3. Ande
Side-2
1. Star Dust
2. South Side
3. Val's Blues
録音の1年7ヵ月前に亡くなったクリフォード・ブラウンに捧げられた 「Tribute To
Brownie」 は ピアノを務めるデューク・ジョーダン作。 スミスは精いっぱい演奏して
いるのですが、やはり線が細すぎます。 ここらあたりがB級といわれる所以です。
キャノンボールも好調ですが、ジョーダンのピアノソロは さすが、これは一流品。
このアルバム、ジョーダンとフラナガンが曲によって弾きわけているのですが、ここが
聴きどころ。 録音日が異なるのに二人は まるで競い合うかのように実力を見せつけます。
キャノンボールは 「Ande」 などではアルトのシーツ・オブ・サウンズといえるほどの
妙技を披露しています。 ワンホーンの 「Star Dust」、線の細さが露呈。 残念。
わたしが思うベストトラックは 「South Side」。 心地よいテンポ、リラックス感、
スミスのプレイはスムーズだし、キャノンボール節も健在。 なによりジョーダンの
泉のごとくアイデアにあふれたピアノソロが、まことに すばらしい。
星4 は(ルイに悪気はないのですが)正直な意見として共演者に対しての評価です。
| Here Comes Louis Smith | |
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レーベルに初めてⓇマークが ついたのは何番?
| ブルーノートレコード・オリジナル プレッシングガイド フレデリック・コーエン:著 行方 均:監修・訳 | |
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