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果たして名演は…

Youra Guller Beethoven Piano Sonatas No.31 No.32
★★★★★
『Beethoven Piano Sonatas No.31, Op.110 & No.32, Op.111』
Erato STU 70797 → apex 2564 69899-8
1973年2月 録音
Youra Guller(p)

Piano Sonata No.31 in A flat major, Op.110
1.
Ⅰ Moderato cantabile, molto espressivo
2. Ⅱ Allegro molt
3. Ⅲ Adagio, ma non troppo
4. Fuga: Allegro, ma non troppo

Piano Sonata No.32 in C minor, Op.111
5.
Ⅰ Maestoso - Allegro con brio ed apassionato
6. Ⅱ Arietta: Adagio molto, semplice e cantabile

ここのところベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタに凝っています。 といっても多数の
ピアニストの演奏を聴いたわけではありません。 何十年もまえに、お決まりの名演を
LP で購入。 つまりバックハウスの新盤です。 そしてもう一人、ソロモンの LP も。
しかしやはり LP の全集は聴くのが億劫に……
それで購入したのがケンプの後期二枚組 CD。 でも 32番はバックハウスに落ち着く。

しかしある日、バックハウスのテンポの速さに “んッ?” と突然思ってしまったのです。
そこからネットで いろいろ調べてみたら、なんと 99種類もの 32番を聴き比べしている
猛者が いらっしゃるではありませんか。 さらに “そんなピアニスト初めて!” という
ブログ記事に多数行き当たり、ここで取り上げる Youra Guller(ヨウラまたはユーラ・
ギュラー)を見つけたのです。
元は Erato の LP で、いまでは高額で取り引きされているらしいです。 その音源の
再発 CD を手に入れ、じっくりと聴いてみました。

31番は “うん、いいのではないかな”、やさしさに満ちた表現で音も美しくて、いい。
テンポの変化も あまり気にならず、間の取り方も独特なのですが、絶妙に感じられます。
フーガは こまやかにはじまり、「嘆きの歌」 の主題と交差しながら、そして堂々と
クライマックスを迎える部分は聴きごたえ充分。

32番の一楽章、進行するテンポの揺らぎは彼女独自のもので、バックハウスとは
対極にあるといえます。 ケンプにも、こんなことは ありません。
それにしても(陳腐な表現ですが)ベートーヴェンは偉大だな! マエストーソから
つづくアパッショナート、こんな見事な曲想を 190年以上もまえに書いたとは!
第二楽章のアリエッタと変奏、第二変奏の愛らしさ。 第三変奏のステップは すこし
つっかえぎみが滑稽です。

結論。 この 41年まえのギュラーの演奏は、バックハウスを是として聴いていた
わたしに(これまた陳腐な言いかたですが)“目から鱗” を感じさせました。
しかし(たぶん)これからも常に聴くのは、バックハウスかもしれません。

追記:最近、仲道郁代さんが弾く 32番を聴きました。 彼女の解釈なのか、二楽章の
変奏にテンポの違和感があって、曲のイメージを壊してしまっています。
ていねいに やさしく弾こうという意識だけで、曲への執着に欠けた演奏だと思いました。
もうひとつ、ドイツ生まれのフリードリヒ・ヴィルヘルム・シュヌアーというピアニストを
ご存じでしょうか? 彼が弾く 32番がいちばん聴けるというコメントもあるのです。


Beethoven Piano Sonatas No.31, Op.110 & No.32, Op.111 / Youra Guller
Beethoven Piano Sonatas No.31, Op.110 & No.32, Op.111 / Youra Guller

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